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ホームズシリーズ短編集「シャーロック・ホームズの冒険」の6話目「唇の捩れた男」。
アヘン窟について
この作品には「アヘン窟(くつ)」という言葉が出てきます。
アヘンというのは、麻薬です。
当たり前ですが、違法です。
ホームズシリーズには当時は合法だった麻薬が登場します。
しかし、現代では絶対に手を出してはいけません。
さて。
あまり目にしない漢字ですよね。
「くちびるのねじれたおとこ」と読みます。
「唇の捩れた男」には矛盾点が存在します。
深く考えてはいけません(笑)
- 「ジョン・H・ワトスン」のことをワトスン夫人が「ジェームズ」と言っている
- 日付と曜日が実際のものと違う
たったこの程度のことです。
ドイルかワトスンがちょと間違えちゃったんだな・おちゃめ!と軽くスルーしましょう!
小学校のころからホームズにはまり、40代の今また読み返している管理人が独断と偏見でお送りしております。プロフィールはこちら→最初の挨拶
まず、薬物には絶対に手を出してはいけないということが分かります。
ついでに過度なネタバレはせずに、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説「唇の捩れた男」について、基本情報・あらすじ・事件概要・感想・管理人あさもりがチョイスした名言を知ることができます。
- 事件に手こずっているホームズが見たい
- ホームズの潜入捜査が見たい
- ホームズの変装が見たい
- ワトスン夫人が見たい
それではどうぞ!
「唇の捩れた男」が収録されている短編集はこちら!↓↓
「唇の捩れた男」基本情報
原題 | The Man with the Twisted Lip |
収録本 | シャーロック・ホームズの冒険(短編集)6話目 |
発表順 | 8番目/60作品中(1891年12月) |
事件発生日 | 1889年6月19日(ワトスンとホームズが合流した日) |
一口メモ | なかなか真相にたどり着けないホームズ |
登場人物
登場人物を紹介するよ!
- シャーロック・ホームズ
- ジョン・H・ワトスン
- ワトスン夫人
- アイザ・ホイットニー(アヘン中毒者・ワトスンの患者)
- ケート・ホイットニー(アイザの妻・ワトスン夫人の友人)
- セントクレア夫人(依頼人)
- ネヴィル・セントクレア(行方不明)
- ヒュー・ブーン(容疑者)
- ブラッドストリート警部
あらすじ
依頼人はセントクレア夫人。
夫のネヴェル・セントクレアは仕事のためにロンドンへと出ていく。
同じ日に偶然用事でロンドンへと向かったセントクレア夫人。
夫人がロンドンの通りを歩いているとき叫び声が聞こえた。
何気なくそちらを見てみると、なんとアヘン窟3階の窓から仕事へ行ったはずの夫ネヴェルの顔が見えた。
しかし、ネヴェルは突然後ろから引かれたように窓の奥へ消えてしまったという。
たまたま巡回中だった警部とアヘン窟へ捜索に行くと、3階にはヒュー・ブーンという乞食だけがいた。
警察はヒュー・ブーンを逮捕するも、夫ネヴェルの安否も分からず、行方不明に。
夫は生きているのか、という夫人の質問に対し、おそらく残念なことになっているというホームズ。
しかし、今日になって夫人の元へ夫ネヴェルから手紙が届いた――
ネヴェル・セントクレアはアヘン窟で何をしていたのか?
そこでなにがあったのか?
彼は今どこにいるのか?
ワトスンがホームズの潜入捜査に偶然居合わせる?!
真相にたどり着いたホームズの行動が見物。
最後まで楽しめる作品です。
事件の概要
事件の概要をまとめるにゃ♪
あらすじを聞いてもピンとこないわね
時系列にしてみるか
- 1889年6月のとある月曜日の朝・ケント州の自宅にて・夫ネヴェル・セントクレア
- ・子供に積み木を買って帰ると約束
・仕事のために約11キロ離れたロンドンへ
いい父ちゃんね
- 1889年6月のとある月曜日の昼過ぎ・ケント州の自宅にて・セントクレア夫人
- ・急遽ロンドン行きの用事ができた
・ロンドンへ向かう
夫人もネヴェルの仕事があるロンドンへ向かったんだね
- 1889年6月のとある月曜日夕方・ロンドンの通りにて・夫人視点
- ・通りを歩いていると「あっ」という叫び声が聞こえる
・アヘン窟の3階の窓から夫が顔を出して、手招きしたように見えた
・夫は興奮しているようだった
・夫は後ろから引っ張られたかのようにスッと姿が消えてしまった
ええええ?!
- ネヴェルが見えた家(アヘン窟)にて・夫人視点
- ・階段を駆け上がろうとしたが、インド人とデンマーク人に押し戻された
・幸運なことに巡回中のバートン警部を発見し、再びアヘン窟へ
セントクレア夫人、勇敢!
それだけネヴェルが心配だったんだね
しかしこういう場所は危ないにゃ
勇敢だが一人で行くのはダメにゃ
即警察案件にゃ
- アヘン窟内、3階にて
- ・夫ネヴェルの姿はない
・3階に住んでいるという乞食(ヒュー・ブーン)しかいない
・ネヴェル・セントクレアは見たことがないと主張
ネヴェルはどこに行ったの?
ていうか、ブーン、怪しさ満載じゃない?
夫人の見間違えという線も残ってはいる
いろんな可能性を考えてみるのも面白いにゃ♪
- 状況証拠
- ・テーブルの上に子供の積み木が置いてあった
・寝室の窓枠に血が付着している
・カーテンの裏からネヴェルの上着を除く衣類がすべて出てきた
・潮が引いたあと窓の外からネヴェルの上着が発見
・上着のすべてのポケットにはたくさんの銅貨が詰まっていた
積み木だ!
子供に約束したやつ!
ネヴェル・・殺されちゃったのかな
これだけでは断定できないにゃ
でも血痕もあるし、急いでネヴェルの安否を確認したいね
- 警察の対応
- ・ネヴェルはそのまま行方不明
・ヒュー・ブーンを留置所へ
ヒュー・ブーン捕まった~
やっぱりね~怪しいと思ったんだよね!
でも、やっぱりネヴェルは死んじゃったのかな・・
- 1889年6月19日(金曜日)ケント州の自宅にて ※実際は金曜ではないらしいが原作通りに記載※
- ・夫ネヴェルから夫人への手紙が届く
・指輪が同封されている
・心配ないので待っていてくれと書かれている
生きてる?!
ネヴェル、生きてる?!
誰かが偽装したかもしれないにゃ
これだけでは生きている証拠にはならんにゃ
そうだけど・・
うわー、めっちゃ気になる、これどうなるの~?
読むにゃ♪
【ネタバレあり】感想
ここからはネタバレを含みますので、嫌な人はまとめへジャンプか、ブラウザをそっと閉じてください。
ネタバレ嫌な人→唇の捩れた男の感想と名言:まとめへジャンプ!
いいですね、ネタバレしますよ、
ふふふのふ
ふふふのふ
ふふふのふふふのふふふのふ
何の話だっけ
あ、ネタバレの話ね、
するよーーーー!
トリックについて
「一人二役」といってもいいかな、と思います。
ネヴェル・セントクレアとヒュー・ブーンが同一人物ということですね。
変装ってそんなに見破れないのかなぁと思いますよね?
もちろんプロの仕業ではあるんですけど、グラナダ版シャーロック・ホームズの冒険では、元の姿が全く分からないように変装しています。
メイクを落とした素のネヴェルが出てきたとき、
「え?誰??」ってなったよね(笑)
興味のある方はぜひチェックしてね!
原作再現率最高峰!【グラナダ版・シャーロック・ホームズの冒険】概要とDVD・Blu-rayについて
注意:唇の捩れた男はグラナダ版では「もう一つの顔」という題名になっています。盛大なネタバレですな(笑)
唇の捩れた男だけを見たい人はこれに↓収録されているので、要チェック!
ただし、DVDバージョンです。
Blu-rayで見たい方はこっち↓
ただし、全巻セットなのでお値段お高め・・!
このシーンの描写が好き
引用したい、引用したい、引用したい
でもこれは全文を読んでほしい・・
この空気感を味わってほしい・・
どうしたらいいんだろうか
各出版社のページ数だけ載せるのはどうにゃ?
採用!
具体的にはアヘン窟内で、ワトスンがある人物と出会うシーンです。
新潮文庫
シャーロック・ホームズの冒険 196ページ~ ”私は両がわにごろごろと~”から
光文社文庫
シャーロック・ホームズの冒険 229ページ~ ”わたしは頭がくらくらするような~”から
創元推理文庫
シャーロック・ホームズの冒険 221ページ ”私は店長を探して、~”から
物語について感想
とても記憶に残っている作品でした。
それと、やはり、グラナダ版のネヴェルの変装が印象に残っています。
子供のころはうへぇぇぇぇぇぇって感じで見てましたが(笑)、今見てもすごいメイク技術ですね。
それはさておき。
一度乞食をやったら戻れなくなったというお話。
誰にでもこういうことってありますよね。
少しでも楽な方へ行ってしまう。
麻薬もしかり。
この作品を始めて見たとき、子供心に絶対に麻薬はやらないと誓いましたね。
アヘン窟の映像がリアルすぎてめちゃくちゃ怖かったです。
麻薬は絶対ダメです
違法です
例え合法でもやるべきじゃない
待っているのは破滅だ
グラナダって何?って人はこちらをどうぞ⇒原作再現率最高峰!【グラナダ版・シャーロック・ホームズの冒険】概要とDVD・Blu-rayについて
でも、ネヴェルはやはり奥さんには言うべきでしたね・・。
子供にバレることばかり恐れているけど、奥さんはどうでもいいんかーい!と突っ込みました(笑)
ここまで思ってくれている夫人を、これ以上悲しませないでほしい。
釈放されたブーンことネヴェルは、奥さんになんと説明したのだろうか。
勇敢で聡明な夫人はなんと答えたのだろうか。
ブーンはもう現れない
そして、夫人はきっと許すと思う
そうなるといいにゃ♪
唇の捩れた男:名言
今回はひとつご紹介します
ヨーロッパいちの大ばか者
「いいかい、ワトスン、いまきみはヨーロッパいちの大ばか者の前に立っているんだ。ここからチャリング・クロスあたりまで蹴とばされたって、文句は言えないくらいだよ。
※読みにくかったので一部ひらがなにしました
シャーロック・ホームズの冒険・くちびるのねじれた男・創元推理文庫・深町眞理子訳より
今回の事件、ホームズがなかなか真相にたどり着けなかったんですよね。
それに気付いたあとのセリフです。
かわいい(笑)
チャリング・クロス駅まで約10キロくらいらしいです。
どんだけ飛ばされるんだ(笑)
おまけ:日付について各出版社の記述
日付に関して出版社で違いがあったにゃ
備忘録として残しておくにゃ
- 新潮文庫・・・・・6月19日の金曜日
- 光文社文庫・・・・6月19日の金曜日
- 創元推理文庫・・・6月10日の金曜日
創元推理文庫の訳は2010年なので、ホームズシリーズとしては新しい部類です。
なにか新しい発見があって6月10日にしたのでしょうか。
ついでに原文も。
“Of Friday, June 19th.”
The Adventures of Sherlock Holmes・Sir Arthur Conan Doyleより
唇の捩れた男の感想と名言:まとめ
シャーロック・ホームズシリーズ短編「唇の捩れた男」について書いてきました。
もう読んでいる方もまだ読んでいない方も楽しめていただけると嬉しいです!
簡単にまとめますと、
「唇の捩れた男」のまとめ
- 麻薬ダメ絶対
- なかなか真相にたどり着けないホームズ
- 真相に気付いたときのホームズかわいい
- ジェームズって誰とか言わないで、きっとただの間違えよ
- 事件に手こずっているホームズが見たい
- ホームズの潜入捜査が読みたい
- ホームズの変装が三度も飯より好き
- ワトスン夫人が見たい
こんな感じですか。
だんだんだんだん適当になってきました。
ここまできて思ったのですが、案外ホームズシリーズって殺人事件が少ないですね。
子供にも読ませられるかな~と思いました。
麻薬の話だけど。
そのうち不倫の話とか出てきちゃうけど。
「唇の捩れた男」が収録されている短編集はこちら↓
もうすでに読んだよっていう方は、他の出版社を読んでみてはいかかですか?
3つの出版社を比べてみた【新潮文庫・光文社文庫・創元推理文庫】シャーロック・ホームズシリーズ原作
それぞれ個性があって、とても面白いですよ!