【緋色の研究】あらすじと感想と名言【シャーロック・ホームズシリーズ長編第1弾】コナン・ドイル原作

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【緋色の研究】あらすじと感想と名言【シャーロック・ホームズシリーズ長編第1弾】コナン・ドイル原作

シャーロック・ホームズと聞いて何を思い浮かべますか?

テレビドラマ?映画?ゲーム?コナン君??

実はホームズには「原作」が存在するんですよ!

  • ホームズの原作ってドラマと違うのかな?
  • 推理小説で有名だし、名言が知りたい!
  • 緋色の研究って長編だから読むの大変そう

となかなか読み始められないあなたへ!

小学校のころからホームズにはまり、40代の今また読み返している管理人あさもりが、読みたての感想と名言をご紹介します。

本記事では、過度なネタバレをせずに、シャーロック・ホームズの緋色の研究について知ることができます。

記念すべき第一作目ですが、なんと失敗談もあります。

みなさんが思っているよりホームズは人間味あふれる人物ですよ。

そして、みなさんが思っているより変人です(笑)

それではご覧ください!

緋色の研究について

アーサー・コナン・ドイルが初めて「シャーロック・ホームズ」を誕生させた第一作目、長編物語

ホームズとワトスンが出会う物語

読者も一緒に推理するのではなく、ホームズのあざやかな手腕を楽しむもの

ホームズの推理の組み立て方や鋭い観察眼などがワトスンの視点から書かれている

登場人物

  • シャーロック・ホームズ
  • ジョン・H・ワトスン
  • スタンフォード
  • レストレード警部
  • グレグスン警部
  • ジョン・ランス巡査
  • イナック・J・ドレッバー(アメリカ人旅行者)
  • ジョセフ・スタンガスン(ドレッバーの秘書)
  • シャルパンティエ夫人(ドレッバーの下宿屋のおかみ)
  • アリス(シャルパンティエ夫人の娘)
  • アーサー(シャルパンティエ夫人の息子)
  • ジョン・フェリア(旅人)
  • ルーシイ・フェリア(ジョンの養女)
  • ジェファスン・ホープ(ルーシイの婚約者)
  • クーパー(モルモン教徒)

あらすじ

ホームズとワトスンが出会う物語

二人の人物紹介が丁寧に描かれている

ワトソンがホームズに合うまでのワクワク感がたまらない

「アフガニスタンに行ってきましたね?」しびれるぅ!

事件はスコットランドヤードのグレグスンから助けを求める手紙が届くところから始まる

空家で外傷のない外国人の死体が発見された

外傷はないのに血痕が数か所残されている

壁には血文字で「RACHE」と書かれていた――

ホームズの推理の組み立て方や鋭い観察眼が盛りだくさん

第二部では「犯人の動機」についての物語が展開されている。

ここで挫折してしまう読者がいるかもしれないが、なんとか耐えてほしい。

読んでいてワクワクする最強の始まりの一冊!

緋色の研究:所感

最近では映像化されることもあり、ドラマや映画を見た方は「えー、ホームズってこんな奴だったの?」とかなりちがうイメージを持たれるかもしれません。

でもこれが通常、原作のホームズであります(笑)

また、シャーロック・ホームズシリーズは読者が一緒になって犯人を推理する物語ではありません。

ホームズの推理や鮮やかな手腕、英国紳士でありながらたまに泥臭い人間味のある結末、そういったエンターテインメントだと思っています。

なので、何度読んでも楽しめるんです!

物語の構成

第1部~ワトスンの回想録
◆ホームズとワトスンの出会い
◆ロウリストン・ガーデン事件
◆ホームズの失敗
◆犯人の逮捕
第2部~犯人の動機
●逃亡劇
●復讐
●ワトスンの回想録(続編)
●ジェファスン・ホープの告白
●結末

こういう構成になっています。

第一部

まず第1部ではホームズとワトスンが出会いますが、そのまえに私的には超重要人物の「スタンフォード」とワトスンが出会います。

このスタンフォードがいなければ、ホームズとワトスンは出会っていないんです。

スタンフォードは歴史的瞬間に立ち会った人物なんですよね。これ以降彼の出番はありません。

もう一度くらい出てきてほしかったです。

このスタンフォードについて感想を書いている人をあまり見ませんが、私はスタンフォードが緋色の研究のキーマンだと思ってます(笑)

ホームズとワトスンがベーカー街で暮らし始めてから、ホームズの人となりがだんだんと分かってきます。

そこで二人の初めての事件が舞い込んでくるのです。

ロウリストン・ガーデン事件。

旅行客の死体が空き家で発見される。室内には数か所の血痕があるのだが、死体には外傷が一つもない。

スコットランドヤード(警察)のグレグスン警部からの手紙から事件を知ったホームズはすぐさまワトスンを誘い、現場に向かいます。

このスピーディーさも読みやすさのひとつです。

記念すべき第一作目でありながら、ホームズの失敗も記録されていますし、このあとあっという間に話が進んで行くのでもうお祭りジェットコースター状態です(笑)

第二部

突然話がガラリと変わります。

この第二部にいたっては、ホームズやワトスンは出てきません。

このパートは「犯人の強い動機」がとても丁寧に書かれているのです。

第二部を読み始めて読み続けることが辛いと思う人もいるでしょう。

しかしなんとか最後まで読んでいただきたいのです。

もしも、もしもですよ、どうしても辛くて読めない方は「第十三章 ワトスン博士の回想録(続編)」まで飛ばしましょう。

そこからまた現代に戻ってきます。

ただ、やはり第二部を読んでいないと物語がとても軽く感じてしまいますので、ぜひとも読んでみてくださいね!

感想

第一部のスピーディーさとは打って変わって、第二部では時間をかけてたっぷりと犯人の動機を落とし込んでいます。

ドイルが第二部を重要視していたと考えられます。

実際第二部を読み飛ばした場合、物語はとても軽く、犯人がなんだかとてもわがままな人物に見えてくるので不思議です。

犯人逮捕まではスピーディーに、そして犯人のバックボーンは重厚に構成されることによって、事件に深みがでましたね。

緋色の研究の意味とは?

緋色の研究について、作中ホームズはこう言っています。

人生という無色の糸桛(いとかせ)に、殺人というまっ赤な糸がまざって巻きこまれている。それを解きほぐして分離し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、僕らの任務なんだ。

新潮文庫・p73・延原謙訳


「端から端まで、一インチきざみに、さらけだす」と言っていますが、ホームズって隠し事だらけです(笑)

他の事件では犯人を見逃したり警察を裏切ったり。

単なる頭でっかちではなく人間味あふれる人物でもあるんですよ。

緋色の研究:名言

ホームズシリーズには数々の名言があります。

見どころが多くてどこもかしこも名言だらけなのですが、管理人あさもりが選んだ「ポピュラー部門」と「マイナー部門」をそれぞれ紹介いたします。

アフガニスタンに行っていましたね

まずは超有名な名言からいきますよ!

「あなたアフガニスタンへ行ってきましたね?」
「ど、どうしてそれがおわかりですか?」私はびっくりした。
「いや、なんでもないです」

新潮文庫・p16・延原謙訳

アフガニスタンのことを言われてワトスンがあたふたしているのに、ホームズが軽く流してしまう。

こういったやり取りがたまらないんです(笑)

データがない

お次はマイナー部門です。

これ好きな方いらっしゃいますか?

データがない。証拠材料がすっかり集まらないうちから、推理を始めるのはたいへんな間違いだよ。判断がかたよるからね

新潮文庫・p46・延原謙訳

こんなことを言っている割に、のちのち先走ってしまい失敗することもあります(笑)

あさもり
あさもり

あまり有名じゃないけど、私はこの言葉が大好きです

親しい友達にだって、ちょいと一服飲ませてみる

英国紳士というイメージが強いホームズ。

しかし、実は猪突猛進で泥臭く、床に這いつくばり自ら動きまくり調査する。

ホームズ像がたまらなく表現されている、お気に入りの言葉です。

「ホームズという人は~中略~たとえば親しい友達にだって、新発見の植物性アルカロイドをちょいと一服飲ませてみる、それくらにのことはやりかねない人ですね。~中略~人にのませるというと悪く聞こえますが、研究のためならいきっと自分でものみかねない人だと思います。

新潮・p14・延原謙訳

若干中略させていただきました。

私はホームズという人物を的確に表していると感じます。

それからこれはスタンフォードの言葉なんですが、彼も観察眼に優れていますよね。

魅力的な人物です。

もう一度登場してほしかったですね。

緋色の研究の感想と名言:まとめ

スピーディーさと重厚さを合わせ持つ最強の一冊。

ホームズとワトスンの出会いから、二人の最初の事件までの流れがスムーズで、ホームズの人となりをじゅうぶんに表現している

シャーロック・ホームズシリーズを読み始める方へふさわしい、まさに最初の一冊です。

ホームズシリーズは探偵小説ですが、読者が探偵と一緒に推理する物語ではありません。

共に冒険したりあとから読みなおして新しい発見をしたり、何度でも楽しめる作品となっています。

まだ読んでいない方はもちろん、すでに読んだことがある方は他の出版社でも楽しめますよ!

あさもり
あさもり

ぜひ何度でも読んでホームズの世界を楽しんでください!!



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