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ホームズシリーズ短編集「シャーロック・ホームズの冒険」の8話目「まだらの紐」。
ホームズとワトスンが出会ってから、ちょうど2年後くらいに起きた事件です。
まだらの紐は小学生の時に読んで、めちゃくちゃ怖かったのを覚えています。
小学生向けの本だったと思うのですが、挿絵が怖くて怖くて。
当時の挿絵が見れないかな~と探していると、なんと、小学館から全部まんがのホームズ作品を発見しました!
まだらの紐が掲載されている「まんが版 シャーロック・ホームズ全集2 まだらの紐」は、表紙の絵が盛大なネタバレしてるので、上は緋色の研究のリンクを貼ってみました。
まだらの紐のリンクはこちらへ。盛大なネタバレあります、注意!
まんが版 シャーロック・ホームズ全集2 まだらの紐
Amazonが一番安いかな?
1996年に小学館から発売された本で、これは電子版のようです。
そのころ私は高校生くらいなので、これを読んでいる可能性は低いですが、絵は見覚えがありますね。
文字よりも絵の方が怖そう(笑)
それではどうぞ!
小学校のころからホームズにはまり、40代の今また読み返している管理人が独断と偏見でお送りしております。プロフィールはこちら→最初の挨拶
- この記事で分かること
- 過度なネタバレはせずに、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説「まだらの紐」について、基本情報・あらすじ・感想・管理人あさもりがチョイスした名言を知ることができます。
「まだらの紐」はこんな人におススメ!
- 奇怪な話が好き
- サスペンスが好き
- 怖い話が好き
- ダイイングメッセージが好き
「まだらの紐」が収録されている短編集はこちら!↓↓
「まだらの紐」基本情報
原題 | The Adventure of the Speckled Band |
収録本 | シャーロック・ホームズの冒険(短編集)8話目 |
発表順 | 10番目/60作品中(1892年2月ストランド発表) |
一口メモ | 鳴らない呼び鈴と風を通さない通風孔 |
登場人物
登場人物を紹介するよ!
- シャーロック・ホームズ
- ジョン・H・ワトスン
- ヘレン・ストーナー(依頼人)
- ジュリア・ストーナー(ヘレンの姉・死亡)
- ストーナー夫人(ヘレンとジュリアの母)
- グライムズビー・ロイロット博士(ストーナー夫人の再婚相手)
- ホノリア・ウェストフェール(依頼人の母の妹)
- パーシー・アーミーテージ(ヘレンの婚約者)
ちょっと分かりづらいので、家系図書きました
ストーナー家の家系図
よけい分かりづらくない?
好きにさせるにゃ・・
あらすじ
1883年4月のはじめ。
朝早くからホームズに面会を求めたのは、恐怖でひどく怯えている若い婦人、ヘレン・ストーナー。
ヘレンは双子の姉ジュリアと、継父のロイロット博士と暮らしていた。
2年前、結婚を2週間後に控えていたジュリアが奇妙な死を遂げた。
毎晩夜中の3時ごろに低い口笛が聞こえると言っていたジュリア。
その晩ひどい嵐で寝付けなかったヘレンは、ジュリアの叫び声で飛び起きた。
急ぎジュリアの部屋へ向かおうと自室のドアを開けたとき、低い口笛が聞こえた気がしたという。
部屋から出てきたジュリアは手足を痙攣させ、恐ろしい叫び声をあげた。
「ヘレン、バンドよ、まだらのバンドよ!」
そのままジュリアは意識を回復することなく死んでしまった。
それから2年が経ち、ヘレンも婚約。
おとといから急に家の修繕が始まり、ヘレンはジュリアが死んだ部屋へ移動することになってしまう。
そして昨晩、ベッドに横になっているとジュリアの言っていた低い口笛が!
ヘレンは飛び起き、そのまま身支度をしてホームズに助けを求めてきたのだった。
ホームズとワトスンはジュリアの部屋を捜査すべく、ロイロット博士の家へ向かう。
ジュリアの残した”まだらのバンド”とはいったい何なのか?
ヘレンの身になにが起ころうとしているのか?
鳴らない呼び鈴と風を通さない通風孔――
ホームズとワトスンがジュリアの部屋で体験した真実とは?
奇怪でサスペンスに満ちた本作。
衝撃のラストは必見!
感想
1927年、ドイル自身が選ぶホームズシリーズベスト12という企画がありました。
そこで1位となったのがこの「まだらの紐」なのです。
ドイル自身も好きだった作品。
ぜひともこの物語を楽しんでください!
鳴らないぞ、鳴りませんか、鳴りません
ホームズとワトスン、そして事件。
ホームズシリーズは人物と事件がとても魅力的です。
それに加えて、会話のテンポの良さが際立ちます。(特に新潮文庫)
「おや、鳴らないぞ」
「鳴りませんですか?」
「鳴りません。」
シャーロック・ホームズの冒険/まだらの紐/新潮文庫p291・延原謙訳
コントかな(笑)
原文を見てもそのテンポ感が表現されているのか分かりませんが、延原謙氏のテンポ感のすっかり虜なんです。
事件後、9年もたってワトスンが公表した理由
まだらの紐の冒頭はこう始まります。
この八年のあいだに、シャーロック・ホームズの探偵ぶりを調べては控えておいた七十余件におよぶ私のノートをめくってみると、
中略
当時秘密にする約束をむすんだので、見あわせていたまでである。約束を交わしたその婦人が先月急死したので、約束から解放されることになった。
シャーロック・ホームズの冒険/まだらの紐/新潮文庫・延原謙訳より
まだらの紐は「1883年4月」と明記されています。
この事件がストランド誌に発表されたのが「1892年2月」。
事件が起きてから9年後に、事件の真相を知るある婦人が急死したということになります。
このある婦人とはいったい誰なのか?
普通に考えるとヘレン・ストーナーですよね。
おそらくそうなんだと思います。
もう一人「婦人」がいるのを覚えていますか?
ここ↑、ストーナー夫人の妹である未婚のホノリア・ウェストフェール婦人です。
ヘレンがね、実父を亡くし、母を亡くし、双子の姉は殺され、自分も命を狙われた。こんな奇怪な人生を歩んできて、さらには早死にするなんてかわいそうです。
私はこの「ホノリア・ウェストフェール婦人」が急死したと思いたいのです。
なんで叔母さんが事件を口止めするのかとか、そういった野暮は話はぶん投げておきましょう。
しかしながら、原文を見てみると
the untimely death of the lady
THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES:by Sir Arthur Conan Doyle
直訳は”女性の早すぎる死”。
誰にでも当てはまる表現ですが・・・
みなさんはどう読み取りましたか?
その他の疑問
・ヘレンの実母、ストーナー夫人は本当に事故死だったのか。
・急死した婦人=ヘレンだとすると、死因はなんだったのか。
ロイロット博士と再婚し事故死してしまったヘレンの実母。本当に事故死なのでしょうか。
また、事件後、ヘレンが婚約者と結婚していた場合、ヘレンが相続した遺産はすべて「パーシー・アーミテージ」のものになります。
ヘレンの死因は・・・?
こういうふうに自分なりに考えてみるのも面白いですよ!
【ネタバレあり】まだらの紐:名言
今回はふたつご紹介します
今回もネタバレを含みます。
見たくない方はここでさよならです・・。
ぜひ読んでみてくださいね!
ヘレン・ストーナーへのしびれる指示
「あなたはあらゆる点で、私の忠告に絶対に服従してくださることが肝心ですよ」
中略
「私の申しあげたとおりにしてさえくだされば、じきに危険を除いてあげられるのですから、けっして心配なさらないで、勇気をお出しなさい」
シャーロック・ホームズの冒険/まだらの紐/新潮文庫p293~295・延原謙訳より
しびれます、しびれるでしょう、しびれるはずです!
なんと心強い言葉でしょうか。
ちょっと光文社も見てみましょう。
「これはきわめて重要なのですが、今後はぜったいにぼくの言うとおりに動いてください」
中略
「勇気を出してください。ぼくの言うとおりにしていれば、あなたをおびやかす危険はきっと取り払ってさしあげます」
シャーロック・ホームズの冒険/まだらの紐/光文社文庫p339~341・日暮雅道訳より
優しい。優しいですね、光文社ホームズは。
好みが分かれるところです。
【超ネタバレ・物語ラストのセリフ】
「したがって僕としてはロイロットの死に間接の責任はあるわけだが、さればといってたいして良心に負担も感じないがね」
シャーロック・ホームズの冒険/まだらの紐/新潮文庫p305・延原謙訳より
いやもう、カッコいい、なんだろう、語彙力がなくて本当に申し訳ございません。
とにかく、好きです(笑)
まだらの紐の感想と名言:まとめ
シャーロック・ホームズシリーズ短編「まだらの紐」について書いてきました。
もう読んでいる方もまだ読んでいない方も楽しめていただけると嬉しいです!
簡単にまとめますと、
「まだらの紐」まとめ
- ホームズとワトスンが出会って間もないころの事件
- ワトスンは未婚
- 鳴らない呼び鈴と風を通さない通風孔
- 子ども向けの小説やまんがの方が挿絵が怖い(笑)
「まだらの紐」はこんな人におススメ!
- 奇怪な話が好き
- サスペンスが好き
- 怖い話が好き
- ダイイングメッセージが好き
こんな感じですか。
かなり奇怪な事件でしたね。
ぜひ読んでいただけると嬉しいです!
「まだらの紐」が収録されている短編集はこちら↓
もうすでに読んだよっていう方は、他の出版社を読んでみてはいかかですか?
3つの出版社を比べてみた【新潮文庫・光文社文庫・創元推理文庫】シャーロック・ホームズシリーズ原作
それぞれ個性があって、とても面白いですよ!